逮捕から勾留までの流れと接見
北九州市八幡東区に住むAさん(23歳)は,会社の上司Vさん(58歳)に遅刻を指摘されたことに憤慨し,Vさんの顔面や腹部等を殴る,蹴るの暴行を加え,Vさんに加療約1か月の怪我を負わせました。そして,Aさんは駆け付けた警察官に傷害罪で通常逮捕されました。Aさんの母は,警察官から「息子さんを逮捕した」「現在,八幡東警察署に入っている」との電話連絡を受けました。そこで,Aさんの母は,息子との接見を,刑事事件専門の弁護士に依頼しました。
(フィクションです)
~ 逮捕から勾留までの流れ ~
逮捕から勾留までの経過は以下のとおりです。
逮捕
↓
警察官の弁解録取
↓ → 釈放 → 在宅事件
検察官への送致【逮捕から48時間以内】
↓
検察官の弁解録取
↓ → 釈放 → 在宅事件
勾留請求【送致から(被疑者を受け取ったときから24時間以内)】
↓
裁判官の勾留質問
↓ → 釈放 → 在宅事件
勾留決定 → 留置場等に収容
= 逮捕から検察官への送致 =
警察官に逮捕されると警察署で「弁解録取」という手続きが取られます。警察官から弁解を聴かれた上で,釈放か否か判断されます。ここで釈放されない場合は,逮捕から48時間以内に検察官の元に送致する手続き(送検)を取られます。
* 釈放された場合 *
釈放された場合は,自宅等へ戻ることができます。しかし,ここで刑事処分が決まったわけではありません。取調べ等の捜査は続きますし,起訴されれば裁判を受けなければならないのは身柄を拘束されている場合と同様です。また,絶対に再逮捕(ここでいう再逮捕とは,一度,逮捕された罪での逮捕)されないという保障もありませんから,釈放後の行動にも注意する必要があります。
= 検察官への送致から勾留請求 =
検察官の元でも「弁解録取」という手続きを取られます。検察官から弁解を聴かれた上で,釈放か否か判断されます。ここで釈放されない場合は,勾留請求されます。勾留請求は,検察官の元に送致される手続きが取られてから24時間以内になされます。
= 勾留請求から勾留決定 =
勾留請求されると,今後は,裁判官による「勾留質問」という手続きを取られます。裁判官から話を聴かれた上で,釈放か否か判断されます。釈放されない場合は,勾留決定が出されたと考えていいでしょう。勾留決定が出た場合は「勾留状」という裁判官名義の令状が発布され,勾留状に基づき指定の留置場等へ収容されます。
~ 逮捕期間中の接見 ~
逮捕期間とは概ね,逮捕されてから勾留決定が出るまでの間のことをいいます。この逮捕期間中は,通常,弁護人しか逮捕された方との接見はできません(逮捕期間中のご家族の弁護人以外の者との接見は法律上認められていません)。したがって,ご家族は,警察から「逮捕された」という事実のみ聞かされ,その具体的内容については知るすべがありません。また,会社・職場・仕事への対応等,逮捕された方しか対応できない,分からないという事柄もあるかと思います。そうした場合,どうすればいいのか逮捕された方に尋ねるのが一番ですが,逮捕期間中は,面会できませんからそれも不可能です。したがって,
逮捕期間中から接見できる
というのが弁護士の強みでもあります。そして,弁護士に接見を依頼すれば,これらの不安,疑問は少しでも解消されることと思います。
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