リベンジポルノ被害防止法は親告罪

2019-04-10

リベンジポルノ被害防止法は親告罪

北九州市戸畑区に住むAさんは,長年交際していたVさんから,突然,別れ話を切り出されました。Aさんは,Vさんとよりを戻そうと,Vさんに何度も説得を試みましたがVさんの気持ちが変わることはありませんでした。そこで,Aさんは,Vさんとの交際時に密かに撮影し,自宅のパソコンに保存していたVさんとの性交時の画像データ(顔などからVさんと分かるもの)を,SNS上にアップしました。これを知ったVさんが福岡県戸畑警察署に告訴状を提出したことから,Aさんはリベンジポルノ被害防止法で事情を聴かれることになりました。
(フィクションです)

~ リベンジポルノ被害防止法 ~

リベンジポルノ被害防止法は,正式には「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(以下,法律)」といいます。リベンジポルノを公にされることによる個人の名誉及び私生活の平穏に対する侵害及びその拡大を防止するために設けられた法律です。

= リベンジポルノとは? =

世間では「リベンジポルノ」と言われていますが,法律ではどのように定義されているのでしょうか?
この点,法律2条は,世間で認識されている「リベンジポルノ」のことを「私事性的画像記録」又は「私事性的画像記録物」と呼んでいます。
前者は要は画像写真,動画,後者は写真,HDD,BL,DVD,サーバーなどの記録媒体を指すと考えていいでしょう。

そして,両者に共通する,「私事性的画像」とは,次の人の姿態(すがた)が撮影された画像のことをいいます。

・性交又は性交類似行為にかかる人の姿態(すがた)
・他人が人の性器を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
・衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって,殊更に人の性的な部位が強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するもの

ただし,「私事性的画像記録」又は「私事性的画像記録物」からは

撮影対象者が,第三者がそれを閲覧することを認識した上で,任意に撮影を承諾し又は撮影したもの

は除かれます。

= どんな行為が処罰されるの?刑罰は? =

では,どんな行為がリベンジポルノ被害防止法で処罰されるのでしょうか?まとめると次の通りです。

公然陳列罪:「私事性的画像記録物」を不特定又は多数の者に公然と陳列(法律3条2項)⇒Aさんの行為
提 供 罪:「私事性的画像記録」を不特定又は多数の者に提供(法律3条1項)
      「私事性的画像記録物」を不特定又は多数の者に提供(法律3条2項)
       提供,公然陳列行為をさせる目的で,「私事性的画像記録」又は「私事性的画像記録物」を提供(法律3条3項)

ただし,法律3条1項と2項は,「第三者が撮影対象者を特定することができる方法」によらなければならないとされています。    
法律3条1項,2項の法定刑は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」,法律3条3項の法定刑は「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」です。

~ リベンジ被害防止法は親告罪 ~

上記でご紹介した罪はいずれも,告訴がなければ公訴を提起する(起訴する)ことができない親告罪です(法律3条4項)。告訴とは,犯人を処罰して欲しいという被害者の意思表示のことをいいますから,仮に示談を成立させるなどして,被害者のお気持ちが緩和されれば告訴を取消していただく可能性も残されています。告訴が取消されれば,刑事処分は自動的に不起訴処分となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件専門の法律事務所です。
刑事事件でお困りの方は,弊所までお気軽にお電話ください。
(初回法律相談無料

ページの上部へ戻る