相手が悪くてもひき逃げ?~福岡市西区 

2019-10-06

相手が悪くてもひき逃げ?~福岡市西区 

ひき逃げ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡市西区に住む主婦のAさん(38歳)は、仕事を終え、普通乗用自動車を運転して帰宅途中、後方を確認することなくいきなり道路を斜め横断してきたVさん(69歳)運転の自転車に自車を衝突させてVさんを路上に転倒させました。Aさんは、ドアミラーなどでこのことを認識しながらも、「相手がいきなり道路上に飛び出してきたのだから自分は悪くない」と考え、車を停止させることなく交通事故現場を立ち去りました(後日、Vさんは加療約2か月間の怪我を負っていたことが判明)。ところが、Aさんは、現場付近の防犯ビデオ映像や、交通事故現場に残されていた痕跡などから福岡県西警察署ひき逃げの犯人だと疑われ、過失運転致傷、道路交通法違反の被疑者として逮捕されてしまいました。逮捕の通知を受けたAさんの夫は、弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです)

~ はじめに ~

この記事をご覧の方にも、日頃、ニュースなどで「当て逃げ」もしくは「ひき逃げ」の報道を耳にされることは多いのではないでしょうか?
ひき逃げを行うと助かったであろうはずの命をも奪うことになりかねず、それゆえ交通事故の中でも重大事故の一つに挙げられます。それゆえ、世間の関心は高いのです。
もっとも、ひとたびひき逃げをすると気が動転してしまい、適切な措置をとりにくいものです。
今回は、そのひき逃げについてご紹介していきたいと思います。

~ ひき逃げはどんな行為? ~

ひき逃げがどんな行為か細かくみていきましょう。
ひき逃げとは、

①誰が→車両等の運転者が

②どんな場合に→人身事故を起こした場合に

③どんなことをした→必要な措置を講じなかった

場合のことをいいます。

これに対して、当て逃げとは、

①誰が→車両等の運転者が

②どんな場合に→物損事故を起こした場合に

③どんなことをした→必要な措置を講じなかった

場合のことをいいます。

~ 「必要な措置」とは? ~

では、「必要な措置」とはどんな措置なのでしょうか?
この点については、道路交通法72条1項に規定されていますから、この規定をさらに細かくみていきます。

ア、ただちに車両等の運転を停止しよう(停止義務:道路交通法72条1項前段)
  交通事故を起こしたら直ちに車両等の運転を停止しなければなりません。
  そして、現場から立ち去ってはいけません!

イ、負傷者を救護しよう、危険を防止するための措置を講じよう(救護義務:道路交通法72条1項前段)
  その上で、負傷者を救護し、道路における危険を防止するなどの必要な措置を講じなければなりません。
  ここで、「負傷していない(怪我をしていない)」などと勝手に自己判断してはいけません。負傷しているかどうかは素人では判断しづらく、医者の判断を待ってはじめて明らかとなるからです。そこで、「負傷しているかどうか分からない」という場合も救護義務が生じ、これを取らなかった場合は救護義務違反となりますから注意が必要です。
  「負傷者を救護」する例としては
 ・現場において応急の手当てを取る
 ・119番通報する
 ・病院への搬送
 などが挙げられます。
  「道路における危険を防止する」は「必要な措置」の例示に過ぎません。ですから、道路内、道路外を問わず、必要とあるならば危険を防止するための措置を取る必要が あります。たとえば、
 ・車両等を速やかに他の場所へ移動させる
 ・負傷者を道路外へ運ぶ
 ・油などが流出し発火、他の車両等のスリップのおそれがあるときは周囲の砂をまく
 ・車両等が人家に突入したときは、車両等を移動させる措置をとる
 などが挙げられます。

ウ、110番通報しよう(警察官に事故内容等を報告しよう)(事故報告義務:道路交通法72条1項後段)
  ア、イと同時に、警察官に事故内容などを報告しなければなりません。
  ア、イの措置はとったものの、「交通事故を起こしたことがばれたくない」「他の犯罪(たとえば、酒気帯び運転など)がばれるのが怖い」などと思って、警察官に報告しなかった場合は事故報告義務違反となります。
  また、事故報告は、交通事故後「直ちに」行うことが必要です。もちろん、ウに先立って、ア、イの措置を取ることが必要ですから、ア、イに要した時間を考慮すれば、多少の遅延は許されるものと思われます。しかし、たとえば、交通事故現場から離れて遠方にある自宅から電話した、だとか、翌日、逮捕が怖くなって警察に電話した、などという場合はもはや「直ちに」とはいえないでしょう。

次回以降は、ひき逃げの罪や罪の重さなどについてご紹介していきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、ひき逃げなどの交通事故・刑事事件専門の法律事務所です。ひき逃げを起こしお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けております。

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