相手が悪くてもひき逃げ?~福岡市西区 

2019-10-07

相手が悪くてもひき逃げ?~福岡市西区 

ひき逃げ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡市西区に住む主婦のAさん(38歳)は、仕事を終え、普通乗用自動車を運転して帰宅途中、後方を確認することなくいきなり道路を斜め横断してきたVさん(69歳)運転の自転車に自車を衝突させてVさんを路上に転倒させました。Aさんは、ドアミラーなどでこのことを認識しながらも、「相手がいきなり道路上に飛び出してきたのだから自分は悪くない」と考え、車を停止させることなく交通事故現場を立ち去りました(後日、Vさんは加療約2か月間の怪我を負っていたことが判明)。ところが、Aさんは、現場付近の防犯ビデオ映像や、交通事故現場に残されていた痕跡などから福岡県西警察署ひき逃げの犯人だと疑われ、過失運転致傷、道路交通法違反の被疑者として逮捕されてしまいました。逮捕の通知を受けたAさんの夫は、弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです)

~ はじめに ~

前回は、ひき逃げとはどんな行為をいうのかご紹介しました。
今回は、ひき逃げをした場合に問われる罪と罪の重さをご紹介いたします。

~ ひき逃げそのものに関する罪 ~

ひき逃げそのものに関する罪は、大きく①停止義務違反・救護義務違反(道路交通法117条)と②事故報告義務違反(道路交通法119条1項10号)の2つに分けられます。

① 停止義務違反・救護義務違反
  停止義務違反・救護義務違反はさらに、ア「人の死傷が当該運転者の運転に起因する場合」とイ「ア以外の場合」に分けられます。 
  アの罰則は「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と大変重たいです。
  「人の死傷が当該運転者の運転に起因する場合」とは、ご自身の運転が原因となって交通事故(人身事故)が発生した、ということ、つまり、ご自身の運転と交通事故による人の死傷との間に因果関係が認められる場合をいいます。
  通常、後ほどご紹介する「過失運転致死傷罪」に問われた場合はこの罰則が適用されると考えてもらっていいかもしれません。
  ご自身の運転が原因で人を死傷させてしまった以上、それだけ責任が大きいということですね。
  他方で、イの罰則は「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
  イは「ア以外の場合」、つまり、ご自身の運転が原因で交通事故が発生していない場合、ということです。つまり、ご自身に過失があるかないかにかかわらず、交通事故(人身事故)が起きた場合は、車両等を運転する方は停止義務、救護義務を負い、これに違反した場合は罰則を科されるおそれがある、ということは是非知っていただきたいと思います。
  ですから、本件のAさんのように、「相手が悪いから」などと勝手に事故判断してその場から立ち去る行為は絶対にしてはいけません。
② 事故報告義務違反
  事故報告義務違反の罰則は「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」です。

  
~ ひき逃げと併せて問われる罪 ~

ひき逃げと併せて問われる罪としては、主に、①過失運転致死傷罪、②危険運転致死傷罪、③酒気帯び、酒酔い、無免許運転です。

①過失運転致死傷罪は、自動車運転上の過失によって人を死傷させた場合に問われる罪で、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、法律)7条に規定されています。罰則は「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」です。

②危険運転致死傷罪は法律2条に規定されています。そして、法律2条1号から6号までに、危険運転の類型が規定されています。

1号 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態での運転
2号 運転の制御が困難なほどの速度超過
3号 運転の制御できる技能を持たないままの運転
4号 人・車の通行を妨害する目的の運転
5号 信号無視など
6号 通行禁止道路の走行

これらに当たる運転をして人を負傷させた場合は「15年以下の懲役」、人を死亡させた場合は「1年以上の有期懲役」です。

③は交通3悪と呼ばれる犯罪です。
 酒気帯び運転は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」、酒酔い運転は「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」、無免許運転は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、ひき逃げなどの交通事故・刑事事件専門の法律事務所です。ひき逃げを起こしお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けております。

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