被害届,告訴,告発の違い

2019-03-13

被害届,告訴,告発の違い

福岡県大牟田市に住むAさんは,日頃のVさんに対する鬱憤を晴らす目的で,Vさん方駐車場に停めてあったVさんの車に千枚通しを使ってキズを付けました。その後,Aさんは,福岡県大牟田警察署に器物損壊罪で逮捕されました。Vさんからの被害届を受け警察が捜査を始めたところ,駐車場に設置していた防犯カメラ映像にAさんの犯行の一部始終が映っていたことから逮捕につながったようです。Aさんの妻は,Aさんとの接見を刑事事件専門の弁護士に依頼しました。
(フィクションです)

~ 被害届,告訴,告発 ~

被害届告訴告発という言葉は耳にされる方が多いと思われます。しかし,その意味や違いについてはっきり認識されている方は少ないと思われます。そこで,今回は,被害届告訴告発の意義やその違いについてご紹介いたします。

= 被害届 =

被害届とは,捜査機関(主に警察)に対し被害があった旨を申告した届出のことをいいます。器物損壊罪でいえば,いつ,どこで,何を壊されたのか,被害額はいくらなのか,届出を出すまでの経緯はどうかといったことを捜査員に聴取され,捜査員が「被害届」という書類に代筆します。刑事訴訟法に被害届に関する規定はありません。

= 告訴 =

告訴とは,犯罪の被害者その他法律上告訴権を有する者が,捜査機関(検察官,司法警察員)に対し,犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示をいいます。告訴は書面でも口頭でもすることが可能ですが,書面による場合は被害届と異なり,代筆は許されません。被害事実と処罰意思を記載した告訴権者名義入りの書面(告訴状)を提出する必要があります。

= 告発 =

告発とは,犯人又は告訴権者以外の第三者から捜査機関に対し,犯罪事実を申告して,犯人の処罰を求める意思表示をいいます。告発告訴同様,書面あるいは口頭によることが可能です。

* 告訴,告発した後は? *

告訴告発をしても捜査機関が受理してくれないことがあります。その理由は,告訴告発も犯罪事実を申告することですから,そもそも告訴告発状の内容が犯罪事実を申告していないこと,形式的に不備があることなどがあるようです。不受理となれば捜査が開始されることはありません。

~ 被害届,告訴,告発の違い ~

以上,被害届告訴告発の意味についてご紹介いたしました。これからは,三者の違いについてみていきたいと思います。

= 被害届と告訴の違い =

上記でもご紹介しましたが,被害届は被害があった旨の申告であるのに対し,告訴はそれに加えて処罰を求める意思表示が必要な点で異なります。
また,告訴は,告訴できる方(告訴権者)が刑事訴訟法で決められているのに対し,被害届に関してはそのような決まりはありません。さらに,告訴は,「犯人を知った日から6か月を経過したとき」はすることができませんが,被害届にはそのような決まりはありません(時効が完成するまで提出することができます)。

= 告訴と告発の違い =

告訴告発は,犯人に対する処罰を求める意思表示という点で共通していますが,次の点で異なります。
まず,告訴は,告訴権者が決められているのに対し,告発は,犯罪があると思料するときは誰でもすることができます。また,告発は,告訴のように期間が決められているわけではありません。よって,時効完成までの告発は有効ということになります。

= 告訴と被害届・告発の違い =

検察官が公訴提起(起訴)時に告訴を必要とする犯罪を親告罪といいます。すなわち,告訴は公訴提起の条件であるのに対し,被害届告発はそのような条件ではありません。

* 親告罪 *

器物損壊罪は親告罪です。他にも,未成年者略取・誘拐罪(刑法224条),名誉棄損罪(刑法230条),侮辱罪(刑法231条),過失傷害罪(刑法209条),親族間の窃盗罪(刑法244条2項,235条等)などがあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,器物損壊罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は,まずはお気軽に0120-631-881までご連絡ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。

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