送検前の釈放

2021-06-07

 

送検前の釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

福岡市に住むAさんはJRの電車内で、隣に座っていた女子高生Vさんに対し「大声だしたら殺す。」などと書いたスマートフォンの画面を見せつけ、Vさんの太ももや胸を直接揉んだとして強制わいせつ罪で逮捕されました。しかし、その後、Aさんは逃亡・罪証隠滅のおそれがないとして、検察に送致される前に釈放されました。
(フィクションです。)

~ 強制わいせつ罪 ~

上記事例は、実際にJRの電車内での強制わいせつで佐賀北警察署に逮捕された、という実例をもとに作成しています。
まず、強制わいせつ罪ついて解説します。

強制わいせつ罪は刑法176条に規定されています。

刑法176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。 

「暴行」とは、他人の身体に対する有形力の行使をいい、脅迫とは、人を畏怖させるに足りる害悪の告知をいいます。
そして、強制わいせつ罪における暴行、脅迫の程度は、一般には、被害者の反抗を著しく困難ならしめる程度のものでなければならないとされています。
具体的には、殴る、蹴る、叩く、首を絞める、馬乗りになるが暴行の典型です。また、強制わいせつ罪の場合、被害者の背後からいきなりわいせつな行為をするというように暴行それ事態がわいせつな行為であってもよいとされています。
また、殺すぞ」「家を焼くぞ」「裸の写真ネットにばらまくぞ」と言ったり、本件のように何らかの手段で被害者に告知する行為が脅迫の典型です。
なお、強制わいせつ罪の脅迫に当たる場合でも脅迫罪(刑法222条)は別個に成立しません。
「わいせつな行為」とは、徒に性欲を興奮又は刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するような行為をいうと解されています。
具体的には、膣を触る、陰部に手を入れる、乳房を弄ぶ、相手方の感情を無視した接吻、などがこれに当たるでしょう。

~ 送検前に釈放 ~

警察に逮捕され、身柄拘束を継続する必要があると判断された場合、その後検察庁へ送致される(送検)手続きが取られます。
ところが、警察の判断でこの送検前に釈放されることもしばしばあります。

そもそも、罪証隠滅のおそれや逃亡のおそれがある認められる場合に身柄を拘束されるわけですから、反対にこれらの事情が認められない場合は身柄を拘束することはできず直ちに身柄を釈放しなければなりません。

現行犯逮捕の場合は見ず知らずの第三者に行為を現認されていることが多いでしょうし、被害者と面識がなく被疑者が罪証隠滅行為を図る客観的可能性は低い場合も多いでしょう。
したがって、被疑者が罪証隠滅行為を図る客観的可能性は低いと考えられます。
また、定職に就いたいる、適切な監督者がいる、ご家族と同居している、前科前歴がない(初犯である)、監護・介護を要する方がいるなどの事情が認められる場合には逃亡のおそれがないと判断されやすいでしょう。

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