脅迫罪

2021-04-05

脅迫罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

Aさんは、長引く不況で会社を解雇されたことの腹いせに、会社の郵便ポストに「よくも解雇してくれたな。今に見てろ。この会社ごと存続できないようにしてやる」などと書いた手紙を投函しました。そうしたところ、Aさんは脅迫罪で逮捕されてしまいました。
(実際に存在した事例を基に作成しています)

~脅迫罪~

脅迫罪は刑法222条に規定されています。

1項 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2項 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

脅迫罪の「人」とは、脅迫罪が個人の意思の自由を保護する罪である以上、その自由を享受し得る自然人を意味し、会社である法人は含まれないと解されています。
もっとも、法人の財産等に対する害悪の告知が、間接的に自然人に対する害悪の告知と解される場合も十分にあり得るところで、その場合は、やはり脅迫罪に問われる可能性があるといえます。

害を加える旨の告知(害悪の告知)とは、一般に人を畏怖させるに足りることを伝えることです。

生命に対する害悪の告知・・・「別れるくらいなら、あなた(あるいは親族)を殺す。」
身体に対する害悪の告知・・・「五体不満足にしてやる。」
自由に対する害悪の告知・・・「この街を安全に歩けると思うなよ。」
名誉に対する害悪の告知・・・●●をネットに掲載する、SNSで拡散する
財産に対する害悪の告知・・・「あなた(あるいは親族)の家に火をつけてやる。」 など

害悪の告知の方法に制限はありません。
加害者に直接会って言った場合はもちろん、電話、メール、FAXを使って伝えた場合などでも脅迫罪が成立する可能性があります。

~強要罪との違い~

脅迫罪と強要罪の違いについてよく聞かれますので併せて解説します。
強要罪は刑法223条に規定されています。

1項 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。

強要罪でも「害悪の告知」が必要とされています。ただし、強要罪は、結果として相手方に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したことが必要ですから、強要罪の「害悪の告知」はその程度のものであることが必要とされています。

以上からもお分かりいただけますように、脅迫罪は「害悪の告知」をしただけで成立する罪、強要罪は「害悪の告知」+「人に義務のないことを行わせること」あるいは「権利の行使を妨害したこと」が必要です。また、脅迫罪の「害悪の告知」は、それによって相手方が畏怖したかどうかは問わないとされているのに対し、強要罪の「害悪の告知」は、結果として相手方に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害するに足りる程度のものである必要があります。

脅迫罪は2年以下の懲役又は30万円以下の罰金で、強要罪は3年以下の懲役です。両者を比べてみるとよく分かりますが、強要罪には罰金刑がありません。つまり、強要罪で起訴されると必ず正式裁判を受ける必要が出てきます。裁判所は、土日は開廷してくれませんから、会社員の方であれば休暇を取る必要があります。また、慣れない法廷という場は極度に緊張するものです。判決が出るまでは「刑務所に行かなければならないだろうか」などと不安が続きます。対して、脅迫罪は選択刑として罰金刑がありますから、そのような不安や緊張に悩まされなくて済む場合もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。強要罪については特に、検察官が起訴する前に被害者と示談を成立させ、不起訴処分を獲得することが重要です。お困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881で、無料相談、初回接見サービスをお申し付けください。

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