大麻に関する罪

2021-03-08

大麻に関する罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県新宮町に住むAさんは、ライブ会場で密売人から大麻を買い、それをポケットの中に入れていたところ、自宅に帰る途中で、福岡県粕屋警察署の警察官から職務質問を受けました。そして、所持品検査などの結果、Aさんは大麻取締法違反(所持罪)で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~大麻に関する罪~

大麻に関する罪は「大麻取締法(以下、法という)」に規定されています。法では、所持、譲り受け、譲り渡しなどを禁じ、罰則を設けています。

通常、薬物犯罪では、薬物の「使用の罪」も処罰の対象としています。しかし、法では、大麻の使用に関し処罰規定を設けていません。その理由としては様々あるようですが、一番大きな理由は、私たちの生活に関係しているようです。すなわち、七味唐辛子の麻の種は元々大麻草から取れたもの、神社にあるしめ縄の原材料の麻は大麻草の茎から作られていると言われています。これは、成熟した種や茎は幻覚成分がなく安全とされているからです。他方で、その作成過程では、少なからず生産者の方々が幻覚成分を吸引してしまう可能性があり、使用を処罰するとすると、これらの方々を処罰しなければならず不都合が生じます。そこで、法では使用の罪を処罰対象から除外しているのです。
 
なお、法で処罰対象とされている主な態様及びその罰則については以下の表のとおりです。

●所持、譲受、譲渡     5年以下の懲役
 営利目的所持、譲受、譲渡 7年以下の懲役、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金
●栽培、輸入、輸出     7年以下の懲役
 営利目的栽培、輸入、輸出 10年以下の懲役、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金
●栽培、輸出入の予備 3年以下の懲役

薬物といえば、大麻のほかにも、あへん、モルヒネ・コカインなどの麻薬、向精神薬、覚せい剤、危険ドラッグなどが挙げられます。あへんはあへん法で、麻薬、向精神薬は麻薬及び向精神薬取締法で、覚せい剤は覚せい剤取締法で、危険ドラッグは主に医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律で規制されています。

~なぜ、日本では大麻は禁止されているのか?~

前記でご紹介したように、世界には大麻を合法とする国も存在します。では、なぜ、日本では大麻は禁止されているのでしょうか?

=心身に有害だから=

まず、大麻を使用すると、大麻に含まれるTHC(テトラヒドロカンナノビール)という成分が脳の中枢神経に作用し、その結果、酩酊、陶酔、興奮、パニック、妄想幻覚
などを引き起こすと言われています。また、統合失調症などの精神疾患の発症や集中力・記憶力の低下など、精神や知能にも影響を及ぼすと言われています。大麻を繰り返し使用すると薬物依存となり、半永久的に依存の状態から抜け出すことはできません。

=社会に有害だから=
   
上記害悪の結果、家族・家庭、仕事・職場、人間関係などその人を取り巻く環境に様々な悪影響を及ぼします。また、大麻に関わる犯罪のみならず、交通事故など他の犯罪を誘発しやすくなります。薬物中毒者が車を運転し、歩行者を死傷させたとして危険運転致死傷罪に問われた事件などはこれまで繰り返し報道されてきました。さらに、大麻の取引で得られたお金は暴力団などの反社会的勢力の資金源にもなりかねず、そのことがまた新たな犯罪を生むきっかけにもなりかねません。

=大麻に代わる繊維産業を発展させたかったから?=

日本で大麻の所持等が全面的に禁止されたのは戦後になってからです。当時、アメリカでは大麻に代わる繊維産業を発展させようという経済的理由から、事実上大麻を全面的に禁止していました。そうした中、GHQは、ポツダム省令(大麻を麻薬として規制)により日本での大麻の所持等を全面的に禁止したのです。しかし、当時、日本では大麻は繊維素材や薬としてごく普通に日常生活に取り入れられていました。そこで、大麻だけは麻薬規制から独立した形で規制する必要が生じました。こうして制定されたのが大
麻取締法だったのです。

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